この記事の訂正
このページでは以前、「Bun 2.0が公開された」と説明していました。しかし、その内容はBun公式の公開情報と一致していませんでした。
2026年7月25日にBun公式サイトを確認した時点では、案内されている安定版はBun 1.3系列です。Bun 2を公開済みの製品として扱うべきではありません。
技術記事では、将来のメジャーバージョンを予想で説明すると、存在しない機能や移行手順を読者へ案内してしまいます。このページでは特定の将来版を予測せず、現在使えるBunと、バージョン確認の方法を整理します。
現在のBunとは
Bunは、JavaScript、TypeScript、JSXを実行できるランタイムです。ランタイムだけでなく、パッケージマネージャー、テストランナー、バンドラーなどを1つのツールとして提供しています。
Node.jsのプロジェクトでも、すべてを一度に置き換える必要はありません。たとえばbun installだけを試す、テストだけをbun testで動かす、といった段階的な導入ができます。
# 依存パッケージをインストール
bun install
# package.jsonのスクリプトを実行
bun run dev
# テストを実行
bun test
公式サイトもBunを「incrementally adoptable」、つまり段階的に採用できるツールとして説明しています。
バージョンはコマンドで確認する
記事タイトルや検索結果だけで、インストール済みのバージョンを判断しないようにします。手元では次のコマンドを実行します。
bun --version
安定版へ更新する場合は、公式のインストールガイドを確認したうえで更新します。
bun upgrade
HomebrewやScoopなど、パッケージマネージャー経由でインストールした場合は、そのパッケージマネージャーで更新することが公式ドキュメントで案内されています。
# Homebrew
brew upgrade bun
# Scoop
scoop update bun
プロジェクトでバージョンを固定している場合は、勝手に最新版へ上げず、CIと開発メンバーの利用バージョンも合わせます。
安定版とcanaryを混同しない
Bunは、安定版に加えて最新コミットを反映したcanary buildも提供しています。
# canaryへ切り替える
bun upgrade --canary
# 安定版へ戻す
bun upgrade --stable
canaryは新機能や修正を早く試せる一方、未検証の変更を含みます。本番環境や授業の共通環境では安定版を使い、canaryは検証用の環境に限定するのが安全です。
Bunを導入する前の確認項目
Bunが高速だという一般的な評価だけで、本番採用を決めるべきではありません。自分のプロジェクトで次を確認します。
利用パッケージが動くか
BunはNode.js互換性の向上を続けていますが、Node.js固有API、ネイティブアドオン、インストールスクリプトに依存するパッケージでは差が出る可能性があります。
まず既存のテストをBunで実行します。
bun install
bun test
テストがない場合は、起動、認証、DB接続、ファイル操作、外部API連携など、失敗すると影響の大きい経路から確認します。
lockfileとCIを確認する
開発者ごとにnpm、pnpm、Bunを混在させると、lockfileや依存関係の解決結果がずれることがあります。採用するパッケージマネージャーとlockfileをチームで決め、CIでも同じコマンドを使います。
性能は自分の処理で測る
公式サイトや第三者のベンチマークは、比較条件を理解するための参考情報です。HTTPサーバー、依存関係のインストール、テスト、バンドルでは測っている処理が異なります。
本番に近い依存関係、データ量、同時接続数で測り、平均値だけでなくエラー率やメモリ使用量も確認してください。
Node.jsとBunの役割を整理する
Node.jsとBunは、どちらもサーバー側でJavaScriptを実行できます。しかし、採用判断では単純な速度順位よりも、プロジェクトが何に依存しているかを見る必要があります。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| ランタイムAPI | fs、crypto、stream、workerなどの利用状況 |
| パッケージ | native addonやpostinstall scriptの有無 |
| パッケージ管理 | 使用するlockfileとworkspace構成 |
| テスト | mocking、coverage、test environmentの互換性 |
| 運用 | 対応するホスティング、監視、障害調査の手順 |
| チーム | 開発者が同じバージョンを再現できるか |
Bunはオールインワンのため、設定ファイルや依存ツールを減らせる場合があります。一方、既存のNode.jsプロジェクトでは、長く使ってきたCI、監視、デバッグ手順が資産になっています。移行によって減るものと、新しく検証が必要になるものを両方数えます。
小さく試す手順
既存プロジェクトでBunを評価する場合は、元の環境を消さずに比較します。
- Gitで作業ブランチを作る
- 現在のNode.jsバージョンとテスト結果を記録する
- Bunの安定版をインストールし、
bun --versionを記録する - 依存関係のインストール結果とlockfile差分を確認する
- lint、型チェック、test、buildを順に実行する
- 外部APIやDBを使う結合テストを行う
- 問題があれば、再現条件と未対応APIを記録する
bun install
bun run lint
bun run typecheck
bun test
bun run build
コマンド名はプロジェクトのpackage.jsonに合わせてください。既存環境へ戻せる状態を保つと、評価と本番移行を混同せずに済みます。
将来版の記事を読むときの注意
メジャーバージョン名が含まれる記事を見つけたら、公式ブログ、公式ドキュメント、GitHub Releasesの順に確認します。検索結果の日付だけでなく、そのページが正式版、beta、canary、提案のどれを扱っているかも見ます。
ロードマップに書かれた項目は、公開時期や最終仕様を保証するものではありません。コード例を試す前に、現在の安定版ドキュメントに同じAPIが掲載されているか確認してください。
初学者は何から試すか
Bunを初めて使う場合、最初からWeb serverやdatabaseを含む作品を移行する必要はありません。短いTypeScript fileを実行し、次にpackage script、test、依存関係のinstallを順番に試すと、どの役割をBunが担当しているか理解しやすくなります。
const message: string = "Hello, Bun";
console.log(message);
bun run hello.ts
この例で確認できるのは、BunがTypeScriptのsyntaxを処理して実行できることです。project全体の型が正しいことを保証する型checkとは異なります。学習時も、実行、型check、test、buildを別の作業として区別してください。
次に既存の小さなprojectを複製し、Node.jsでの結果とBunでの結果を比較します。元のprojectを直接上書きしないことで、lockfileや生成物の差を確認できます。
Bun 2を待つべきか
未公開のメジャーバージョンを待つことを前提に、学習や導入を止める必要はありません。現行の安定版に必要な機能があり、互換性テストを通過するなら、小さな範囲から試せます。
反対に、現在のNode.js環境が安定しているなら、Bunへ移行すること自体を目的にしない方がよいでしょう。ランタイム変更には、パッケージ互換性、CI、監視、障害対応の確認が必要です。
将来のBun 2について判断するのは、公式リリースノートが公開されてからで十分です。
まとめ
- Bun 2を公開済みとしていた以前の内容は誤り
- 2026年7月25日時点の公式案内はBun 1.3系列
- バージョンは
bun --versionと公式サイトで確認する - canaryと安定版を分け、本番では互換性テストを行う
- 未公開機能を予想せず、公開済みの仕様で採用を判断する