AIへ大きな実装を丸投げしない:作業を小さく分ける

初級 | 9分 で読める | 2026.07.11

公式ドキュメント

「認証機能を全部作って」と依頼すると、設計、依存追加、DB変更、画面変更が一度に混ざります。AIへ渡す仕事は、一つずつ合否を決められる大きさに分けましょう。

今回やること

AIへの作業を成果決定、調査、契約と境界、一つの実装、検証、人の差分確認へ分け、範囲外なら止める図

課題提出後に講師へ通知する機能を例に、AIへの依頼を次の順へ分けます。

  1. 現在の提出・通知経路を調査する
  2. いつ通知するか、重複時にどうするかを人が決める
  3. 通知記録だけを実装する
  4. 同じ提出を二度処理しても重複しないことを検証する
  5. 変更範囲と結果を人がレビューする

最初の依頼は調査だけにする

いきなりコードを書かせず、現状と未決定事項を出させます。

目的: 課題提出後に担当講師へ通知する。
まだ実装はしないでください。
現在の提出処理、担当講師を決める場所、既存テストを調査し、
変更候補のファイルと未決定事項だけを報告してください。

調査結果を読んでから、通知先が未設定ならどうするか、メール失敗で提出自体を失敗にするかを決めます。これはAIに推測させず、人が決める仕様です。

一つの依頼に入れるもの

実装を頼む時は、目的・触ってよい範囲・完了条件を揃えます。

目的: 提出IDと講師IDを持つ通知記録を保存する。
変更してよい範囲: 通知記録のモデル、保存処理、そのテストだけ。
完了条件: 同じ提出を再処理しても記録は1件だけになるテストが通ること。
触らない範囲: 認証、画面、メール送信、依存パッケージ。

「バックエンドを作る」のような依頼では、どこまで変わってよいかも、何を確認すればよいかも分かりません。作業時間ではなく、失敗しても戻す場所を特定できる境界で分けます。

成功確認

次の3点がそろえば、その段階は完了です。

  • 変更ファイルが依頼した範囲だけである
  • 完了条件に対応するテストまたは確認手順がある
  • 未決定事項と失敗した確認を隠さず報告している

AIが許可していない依存更新や画面の整理を始めた場合は、差分をそのまま採用せず、依頼文の境界を狭めてやり直します。

よくあるつまずき

細かく分ければ安全、ではない

型の追加と、その型を使う一行だけを別タスクにすると、確認より引き継ぎが増えます。一つの結果を確認するために必要な最小範囲は、同じ依頼に含めます。

テストが通れば終わり、ではない

通知なら、正常な提出だけでなく、同じ提出の再処理、通知先がない場合、送信失敗時の扱いも仕様と照合します。テストは「何を守るか」を示す証拠です。

練習

「プロフィール画像を追加する」を、次の5個以内の仕事に分けてください。各仕事に、入力・完了条件・触ってよい範囲を一行ずつ書きます。

  • 許可する形式と容量を決める
  • アップロードする
  • 保存情報を登録する
  • 表示する
  • 削除する

公開範囲や削除後のファイルをどうするかが未決定なら、実装に混ぜず「決める仕事」として分けられれば正解です。

次のステップ

参考リソース

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