KISS原則:シンプルなコードが強い理由

入門 | 8分 で読める | 2026.06.18

公式ドキュメント

KISSは、Keep It Simple, Stupid の略として知られる設計原則です。

意味としては「できるだけシンプルに保つ」と考えれば十分です。

一言でいうと

KISS原則は、必要以上に複雑な設計やコードを書かないための考え方です。

シンプルなコードは、読む人が理解しやすく、バグの原因を追いやすく、あとから直しやすくなります。

複雑なコードが危ない理由

複雑なコードは、書いた本人には分かることがあります。しかし、数週間後の自分や他の人には読みにくくなります。

複雑さの種類起きる問題
if文が深いどの条件で動くか分かりにくい
引数が多い呼び出し側の意図が読めない
汎用化しすぎ何のための関数か曖昧になる
設定が多い正しい組み合わせが分からない
抽象層が多い1処理を追うのに何ファイルも読む

KISSは、このような複雑さを早めに抑えるための原則です。

悪い例

function format(value: string, mode: string, trim: boolean, upper: boolean) {
 let result = value;
 if (trim) result = result.trim();
 if (upper) result = result.toUpperCase();
 if (mode === "title") return `[${result}]`;
 if (mode === "plain") return result;
 return result;
}

何でもできる関数に見えますが、呼び出し側で正しい引数の組み合わせを覚える必要があります。

シンプルにした例

function formatTitle(text: string) {
 return `[${text.trim().toUpperCase()}]`;
}

function formatPlainText(text: string) {
 return text.trim();
}

関数は増えましたが、目的が明確です。呼び出し側も読みやすくなります。

シンプルにする判断基準

  • 1つの関数に複数の目的を入れない
  • フラグ引数で動きを大きく変えない
  • 深いネストを避ける
  • 名前で意図が分かるようにする
  • 使っていない拡張ポイントを作らない

シンプルとは、短いことだけではありません。意図が追いやすいことです。

KISSと初学者

初学者は、難しい書き方を覚えると使いたくなります。三項演算子、reduce、クラス、継承、ジェネリクスなどは便利ですが、使うほど良いわけではありません。

まずは、読みやすい if、分かりやすい関数名、素直なデータ構造を優先します。

よくある誤解

短いコードほど良い

短くても、意味が読み取りにくければよいコードではありません。数行増えても、意図が明確なコードのほうが保守しやすいです。

初心者向けの書き方はレベルが低い

シンプルなコードは、初心者向けというだけではありません。実務でも、複雑な表現より読みやすい表現が選ばれる場面は多いです。

まとめ

KISS原則は、コードを必要以上に複雑にしないための考え方です。

シンプルなコードは、読む時間、直す時間、バグを探す時間を減らします。

参考リソース

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