三つの観測手段には得意な質問があります。最初に「何を知りたいか」を決めると、入口を選べます。 常にメトリクスから始める固定手順ではありません。特定のエラー報告があるならログ、複数サービスをまたぐ一件の遅延ならトレースから始めることもあります。

| 手段 | 答えやすい質問 | 例 |
|---|---|---|
| メトリクス | いつから、どのくらい広がったか | エラー率、応答時間、件数 |
| ログ | 一件で何が起きたか | エラーメッセージ、入力の種類 |
| トレース | 複数サービスをどの順に通ったか | 遅い処理、失敗した呼び出し |
最初の選び方
「一部だけ遅い」という全体傾向なら、まずメトリクスで発生時刻と範囲を見ます。次に、関連するtraceを選び、必要な詳細をログで確認します。すでにrequest IDやtrace IDが分かっているなら、その一件から入り、後でメトリクスへ戻って広がりを確認します。
調査例
課題提出が遅いという報告があった場合、提出APIの応答時間とエラー率を確認します。特定の時間帯だけ増えていれば、その時間帯のログを探します。アップロード、保存、通知のどこで待っているかはトレースで確認します。
共通の識別子を残す
ログとトレースを結び付けるには、リクエストIDやトレースIDが必要です。個人情報やトークンをそのままログに書かず、必要な識別子と結果だけを残します。
全部を無制限に残さない
観測データには保存コストとプライバシーの問題があります。何をいつまで残すか、失敗時に必要な項目は何かを先に決めます。
まとめ
広がりはメトリクス、個別の出来事はログ、処理経路はトレースで見ます。同じ識別子を使い、仮説に必要な情報から順に確認します。