DHCPとは、PCやスマホがネットワークに参加した時に、IPアドレスなどの設定を自動でもらうための仕組みです。
一言でいうと
DHCPがあるから、利用者は手作業でIPアドレスやDNSを設定しなくてもネットワークに接続できます。
DHCPが配るもの
DHCPはIPアドレスだけを配る仕組みではありません。多くの場合、次の情報をまとめて配ります。
| 情報 | 例 | 役割 |
|---|---|---|
| IPアドレス | 192.168.1.20 | その機器のLAN内住所 |
| サブネットマスク | 255.255.255.0 | 同じネットワーク範囲 |
| デフォルトゲートウェイ | 192.168.1.1 | 外へ出る出口 |
| DNSサーバー | 192.168.1.1, 1.1.1.1 | 名前解決の問い合わせ先 |
| リース時間 | 24時間など | その設定を使える期間 |
登場人物
| 登場人物 | 役割 |
|---|---|
| DHCPクライアント | IP設定をもらうPCやスマホ |
| DHCPサーバー | IP設定を配る機器 |
| ルーター | 家庭ではDHCPサーバーを兼ねることが多い |
家庭用ネットワークでは、Wi-FiルーターがDHCPサーバーとして動いていることが多いです。
DHCPの流れ
DHCPは、ざっくり次の流れでIP設定を決めます。
Discover -> クライアントが「誰かIPをください」と探す
Offer -> DHCPサーバーが「このIPを使えます」と提案する
Request -> クライアントが「そのIPを使います」と要求する
ACK -> サーバーが「使ってよい」と確定する
この流れはDORAと呼ばれることがあります。
リースとは
DHCPで配られたIPアドレスは、永遠に固定されるわけではありません。一定時間だけ使える「リース」として割り当てられます。
リース期限が近づくと、クライアントは同じIPアドレスを継続利用できるか確認します。
DHCPのIPアドレスは、固定の所有物ではなく、一定期間借りている設定です。
DHCPが失敗した時の症状
| 症状 | 可能性 |
|---|---|
| IPアドレスが取れない | DHCPサーバーへ届いていない |
169.254.x.x になる | 自動設定に失敗している可能性 |
| Wi-Fiには接続したがWebが見られない | DNSやゲートウェイ設定の問題かもしれない |
| 同じIPが重複する | 固定IP設定やDHCP範囲の管理ミスかもしれない |
確認コマンド
Windowsでは次を使います。
ipconfig /all
macOS/Linuxでは次を使います。
ip addr
nmcli device show
OSによって表示形式は異なりますが、IPアドレス、ゲートウェイ、DNSサーバーを確認します。
よくある誤解
| 誤解 | 実際 |
|---|---|
| DHCPはインターネット上のサービス | 多くの場合、LAN内で動く仕組みです |
| IPアドレスは必ず毎回変わる | 同じIPが再利用されることもあります |
| DHCPが成功すれば通信は全部成功 | DNS、ゲートウェイ、ファイアウォールも関係します |
まとめ
DHCPは、PCやスマホにIPアドレス、ゲートウェイ、DNSなどを自動設定する仕組みです。ネットワークにつながらない時は、まずIPアドレスが取れているか、ゲートウェイとDNSが設定されているかを確認します。
参考リソース
- RFC 2131: Dynamic Host Configuration Protocol
- RFC 2132: DHCP Options and BOOTP Vendor Extensions
- Microsoft: ipconfig